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ペーパーレス化の第一歩は伝票・帳票の電子化から

分厚い書類

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が日本企業の生き残りのために必須と言われるなか、デジタル化の基礎になる業務のペーパーレス化がなかなか進まないことに焦る会社も多いようです。今回はペーパーレス化を上手に進める方法について考えてみます。

ペーパーレス化はなぜ必要?

ほとんどの会社では、ペーパーレス化の効用を「コスト削減」「省スペース」「業務効率向上」「セキュリティ」の4つのポイントで捉えられているかと思います。

ペーパーレスまず、「コスト削減」と「省スペース」ですが、これはペーパーレスにすることにより、紙の印刷枚数を減らせたり、書庫を減らすことができたりといったメリットがあります。加えて、近年では税務関連書類など法律(電子帳簿保存法、e-文書法、オンライン手続法など)上、保管や提出が必要な書類について、一部を除き紙からデジタルへの切り替えが認められ、法改正によりデジタル保存などの要件が緩和されています。国としてはむしろデジタルでの保管や提出を推奨しているわけで、要件を満たせば国税や商業、医療、教育、建築、知財その他広い範囲で紙文書をなくすことができ、大きなコストと保管スペース削減が可能になっています。

次に、「生産性向上」についてですが、これは業務プロセスに組み込まれていた伝票・帳票類、あるいは報告や稟議、分析などに利用されてきた報告書、稟議書、各種レポート類を紙からデジタルに変えることで、手打ちの手間が省ける、システム連携を行える等によって業務効率が上がり、日々の業務時間を短縮することができます。国の「働き方改革」の重要施策にペーパーレスが掲げられているのはこの為です。

最後に、「セキュリティ」についてです。実は、情報漏えい事象の多くが今も紙の持ち出しや紛失・盗難などが原因になっていることはご存じでしたか。リモートワークが盛んになり、社内文書のプリントアウトを持ち帰るケースや、機密情報が混在する文書を自宅などで印刷するケースも増えており、紙からの情報漏えいを防ぐセキュリティ上の観点からも、ペーパーレス化は大きな意味をもちます。
ペーパーレスこれらの通り、ペーパーレス化を業務プロセスの改善と並行して進め、無駄な業務プロセスを無くし、必要な業務プロセスは可能な限りデジタル化することにより、紙に関連するコストを大幅に抑制しながら大きな業務効率化・生産性向上を成し遂げることができます。これができる企業とそうでない企業の業績は、これからますます差が開きます。企業競争力を維持・向上するためにも、ペーパーレス化は業務のデジタル化の第一歩として進めるべき重要な取組みと言えるでしょう。

ペーパーレス化への第一歩はOCRの活用から

ペーパーレス化が中々進展しないケースでは、従来の業務プロセスがデジタル化によって変わることに現場の抵抗感が強いことが多いようです。だからこそ、デジタル化によって大きな改善の可能性があります。
例えば、請求書や注文書などをFAXや郵送で受け取る窓口では、毎日たくさんの帳票の仕分けや会計システムなどへの入力に追われていることでしょう。様々なフォーマットの伝票を仕分けたり、システムに適切に入力したりするのは人間でなければ無理と考えている現場も多いのではないでしょうか。

ここに、現在は非常に高精度で手書き文字も認識できるAI-OCR(AI搭載の光学式文字読取り装置)を適用すると、仕分けと入力を自動化することができます。自動入力や仕分けが正しいかどうかを人間が確認するプロセスは必要ですが、労力は大幅に削減できます。AI-OCRはコピー機のように誰でも簡単に操作できますし、読み取った結果はRPAを利用すれば会計システムなどに自動入力する仕組みが簡単に作成可能です。
まずこのような身近で分かりやすいペーパーレス化をお勧めするのは、成功しやすいからです。つまりペーパーレス化やデジタル化の効果が誰でも理解しやすく、成功事例として社内で共有できます。
一気に全部署、全現場をペーパーレス化しようとするのは失敗のもと。課題の多い現場でまず重要課題を解決して、ペーパーレス化が従業員の負担を軽減するものであることの認知を徐々に広げていくことが望ましいと思います。

クラウドサービスを活用した
請求書や発注書などの電子化も有力な選択肢

AI-OCRとRPAなどによるシステム入力自動化は人間の作業を一部自動化したに過ぎません。その次のステップは、紙帳票を一切関与させない仕組みづくりになります。これには社内の各部署、あるいは外部の取引先の同意と協調が必要になります。
例えば取引先の同意が得られるなら、注文はWebフォームで、請求書はメールやWebで送付/受取りをする仕組みがお勧めできます。クラウドサービスを利用することで、システム導入の手間もなく、受発注や請求業務のペーパーレス化が実現します。電子帳簿保存法などへの対応も、電子データをそのまま保存・管理できるので合理的です。

ペーパーレス

請求書の送付件数が多くて大変なら、顧客先とフォーム、決まった金額ならそれを登録し、スケジュールを設定しておけば自動的に請求書がメール送信できるクラウドサービスもあります。サービスと販売管理システムや顧客管理システムを連携させれば、当月の請求書を自動作成、送付することもできます。どうしても紙で送付してほしいという顧客先には、紙出力後郵送まで引き受けるサービスもあります(請求書発行サービス)。

一方、受取り側の場合はメール、FAX、紙の郵送など請求書の形式が多様で煩雑なことが課題でしょう。これには、いったん業者側に代理で受領してもらい、業者側でスキャンやPDF化などの作業をしてもらってクラウド上での管理が可能な形にしてくれるサービスもあります(請求書代理受領サービス)。
いずれにしても、クラウドサービスを活用することで、自社内では一切紙の帳票を出力することなく請求書などの発行・送付や受取り〜システム入力の業務を完遂できます。

社内での申請〜承認〜決済ワークフローにもツールが適用可能

ペーパーレス

社内での申請〜承認〜決済業務も紙伝票を利用していることが多いものです。例えば備品等の購入稟議などに一定のルールでワークフローが定められている場合、ワークフローツールによって伝票等の記入・提出・承認/差し戻し・上位の(複数)承認者への提出・承認/差し戻し・決済といった情報の流れをデジタル化できます。紙の節約よりも申請から決済までの時短に大きな効果があり、業務負担を軽減します。汎用のワークフローツールのほか、交通費やその他経費の精算に特化したツールもあります。
また外部との業務委託契約や機密保持契約をはじめ、契約書を電子化する電子契約サービスとの連携が可能なものもあります。こうした機能を活用すればペーパーレス化は大きく前進します。

ペーパーレス化にデメリットはないのか?

多くのメリットの反面、ペーパーレス化には多かれ少なかれ従来の業務プロセスの変更が必要です。変化を嫌う現場の意識を変えるための施策も必要で、丁寧な説明や機器の操作ガイダンス、講習会などが有効でしょう。その時、どこかの部署での先行導入成功事例があれば、説明・説得がはるかに容易になります。

また、デジタル文書には紙のように手書きメモを加えたり付箋を貼ったりすることは一般的にできません。資料用の文書などをデジタル化するとかえって利便性を損なう危険もあります。ルーチンワーク化している業務の帳票から取り組み、慣れてからその他の文書の電子化に取り組むのが王道です。
なお、ペーパーレス化しにくい業務、してはいけない業務も中にはあります。不動産取引関係などで法的に紙での保存や申請、契約などが求められる書類もあります。全業務を一律にペーパーレス化しようと意気込まず、できる部分から始めて徐々に対象業務を広げていく進め方が望ましいでしょう。

以上のように、ペーパーレス化の視点から業務を見直すことはDX推進の第一歩になります。一部でもデジタル化が進めば、例えばSFAツールやCRMツール、ERPツール、BIツールなどとの連携が可能になり、ゆくゆくは全社の業務効率化・生産性向上につながります。また、クラウドストレージやWeb会議などのオンラインツールにもデータが活用できるので、営業活動や情報共有、コミュニケーションも高度化します。まずは手が届きやすい身近な紙伝票・帳票からペーパーレス化への一歩を踏み出してみてください。

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