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5Gへの期待と幻滅、そのワケは?

5G

「5G(ファイブジー)」対応端末が登場し、主要モバイル通信サービス会社の5G料金プランが出揃った今、そろそろスマホやタブレットの替え時かとお考えの方も多いでしょう。しかし「速さにビックリ」という声とともに、「期待外れでガッカリだよ」という声も聞こえてきます。本当のところはどうなのか、今回は「5G」の期待ポイントと幻滅ポイントをご紹介します。

<目次>
「5G」はモバイル通信の最新バージョン
5Gで実現する臨場感たっぷりな動画やAR/VR
リアルな「没入型」クラウドゲーム
スポーツ、コンサート、演劇などのリアルタイム中継
臨場感あふれるAR(拡張現実)、VR(仮想現実)
「ローカル5G」によるスタジアム/劇場内での臨場感映像提供やスマート工場など
自動運転、スマートシティなどの高度社会インフラ実現に貢献
5Gへの期待と現実のギャップとは?

「5G」はモバイル通信の最新バージョン

5Gは携帯電話から始まったモバイル通信技術とサービスの最新版である「5th Generation(第5世代)」のことを指します。スマホのアンテナアイコンの横に「4G」や「LTE」という文字が表示されるのをご存じかと思います。これは5Gの1つ前の世代の通信サービスを利用していることを示すものです。2020年6月現在では4G(第4世代。LTE、LTE Advancedとも呼ばれます)が全盛で、3G(第3世代)は今後数年のうちに提供サービスが停止します。
5Gのサービスと対応端末は2020年3月に提供開始されましたが、提供開始後のコロナ禍の影響もあり、また利用可能エリアが都市部や特定施設周辺などに当面は限定されていることから、普及拡大はこれからの状況です(ドコモ、au、ソフトバンク各社が5Gサービスを提供中、楽天モバイルも提供予定)。4Gと共存しながら徐々に移行し、これから数年をかけて無線通信の主役になると見込まれているのが5Gなのです。

5Gで実現する臨場感たっぷりな動画やAR/VR

5Gには、4Gに比べて段違いの「高速性・大容量性」「多数同時接続性」「低遅延性」の3つの特徴があります。「高速性・大容量性」では4Gの約10倍(下り20Gbps・上り10Gbps)の最高速度、「多数同時接続性」では、1平方キロメートル四方のエリアで約10〜100倍の端末数(100万台)が同時接続可能、「低遅延性」では約10分の1の1ミリ秒(1000分の1秒)以内の伝送遅れしか生じないという優れた性能と機能性を、スペック上の目標値として掲げています。
これらの特徴から、例えば次のようなユースケースが期待されており、一部は実現し始めているところです。

リアルな「没入型」クラウドゲーム

スマホゲーム精細な3D CGを用いた仮想空間で、多人数が参加する球技などのオンライン対戦ゲームが実現しそうです。対戦者や自分の動作が少しの遅延も感じさせずに対応させられるため、よりリアルな臨場感のある「没入型」ゲームをよりストレスなく楽しめるようになるでしょう。

スポーツ、コンサート、演劇などのリアルタイム中継

スポーツ観戦一足先を行く韓国で評判がよかったのが劇場公演のオンラインライブ中継でした。映像や音のずれがなく、4K/8Kカメラを使ったリアルタイムライブ動画でも品質高く配信でき、また選手の表情やボールに追随した生映像とグラウンド上の俯瞰映像などの多視点からの映像を自由にユーザーが切り替えて楽しめるようなスポーツ中継も可能になると思われます。

臨場感あふれるAR(拡張現実)、VR(仮想現実)

現実の映像に多様な情報を重ねて提供するARや、仮想空間での活動を疑似体験できるVRのアプリケーション開発にネックだった通信速度やコンテンツサイズの制限が緩くなり、より高度なコンテンツが登場してくると期待されます。エンターテインメントや教育分野のほか、遠隔での機械操作など医療分野にも活用されるようになるでしょう。

「ローカル5G」によるスタジアム/劇場内での臨場感映像提供やスマート工場など

kamera4Gまでは主にスマホを想定したサービスでしたが、5Gはスタジアムや劇場内での多視点映像配信、大量のセンサーや自動化機械が稼働する工場内のリアルタイム通信など、多様な用途での活用が見込まれています。通信会社に頼らず会社が無線局免許を取得して自前の5Gサービスを運営するローカル5Gにより、特定エリアで安定して安価な通信環境が実現すると予想されています。

自動運転、スマートシティなどの高度社会インフラ実現に貢献

インフラ自動車や道路設備などから得られる情報をリアルタイムに集約・分析してより安全でストレスのない交通管制・誘導、ひいては自動運転に役立てたり、電力やガス・水道をはじめとするライフラインを万全に維持して高度な住民/地域サービスを実現するスマートシティに貢献したりと、将来の社会インフラ維持と発展のために、高速/大容量・低遅延で特定地域と広域を同時にカバーできる5Gは欠かせない要素になるでしょう。

5Gへの期待と現実のギャップとは?

このように期待が大きい5Gですが、サービス開始から間も無い現在、目標スペックには全然たどりつけていないのが現状です。そのため、サービス開始直後にユーザーとなった人たちからは「利用可能エリアが狭すぎる」「思ったような速度が出ない」「5Gならではのアプリがない」といった声が上がっています。
この不満の主な原因は、十分な数の5G基地局が開設される前にサービスが開始されてしまったことと、設置された5G基地局のほとんどが4G(LTE)基地局および既存の4Gコアネットワークの機能に依存しているためです。 このため、利用可能な場所が制限され、また期待したほどのスピード感が得られていないのです。

アンテナ現在は4Gから5Gの過渡期です。例えば「下り最高20Gbps、上り最高10Gbps」という通信速度目標に対して、通信会社が公表しているスペックは、下り最大2.0〜3.4Gbps、上り最大103Mbps〜183Mbps(通信会社により異なります)となっています。もちろんこれは理論値で、利用者が体感する実効速度はこの数値の半分以下という場合が多いのです。ただし、5G通信可能なエリアでは4G時代からのオンラインサービスやゲームなどは動きも早く、動画再生時のフリーズも無く、アプリのインストール速度も速くなることを実感しているユーザーも多いようです。やがて5Gに最適化されたコアネットワークが整備され、4G基地局とは独立して運用される5G基地局が増えていけば、通信サービスの性能・品質が5Gの本来の目標スペックに近づいていくでしょう。その時期は今のところ2020年代のどこかとしか言えませんが、着実に5Gインフラは整えられていき、サービスもそれに応じて改善されていくのは間違いありません。まだまだ黎明期の5Gに幻滅するのは早すぎます。これから続々出てくる5Gを前提にした最新オンラインサービスやアプリが利用でき、既存の4G前提のサービスやアプリもより快適に利用できるというところに注目してみてはいかがでしょうか。

<おさらい>
・2020年代の無線通信の主役は5G。
・「高速・大容量」「多数同時接続」「低遅延」が4Gと比較して段違い!
・5Gの不満は、4Gへの依存と利用可能場所の制限により、期待通りの通信スピードが得られないこと。

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JIS Q 27001:2006(ISO/27001:2005)
ISO/ISMS
(適用範囲:HCグループ)
一般人材派遣業:労働大臣許可 派13-01-0526
人材紹介業:労働大臣許可 13-ュ-010435
宅地建物取引業:東京都知事(2)第98397号
一般建設業:東京都知事許可(般-1)第150856号
高度管理医療機器等販売/貸与業第5502205165号

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