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ISDNデータ通信モードの終了迫る!今すぐ行うべき対策とは?

isdn

ISDNのデータ通信モード回線サービスが終了することは、みなさんご存じでしょうか?
日本では1988年にNTTグループが「INSネット64」「INSネット1500」の名称でサービスを開始しています。昭和末期から活躍してきたISDNが、ついに2024年に36年もの歳月を経て終了してしまいます。今回はISDNそのものの解説や、なぜ終了してしまうのか、終了後に私たちに及ぶ影響などを深掘りしていきたいと思います。

<目次>
企業にとって大事な役割を担ってきたISDNデータ通信モードが終了
インターネットの進化、ISDN終了の理由
ISDNは何に役立っていたのか、終了すると起きてしまう影響
調べたら光回線が通らない?ISDN終了に伴い企業が準備すべきこと
しがらみからの解放で、快適な超高速インターネット環境を

企業にとって大事な役割を担ってきたISDNデータ通信モードが終了

ISDNとは一言で言えば、「電話線を使ったデジタル回線」なのですが、それがなぜ活躍してきたかについては、少し歴史を遡る必要があります。ISDNとは「Integrated Services Digital Network」の頭文字をとり略した言葉であり、日本では「サービス総合デジタル網」として知られています。
インターネット黎明期、最も利用されていた通信回線は電話網でした。電話網は全世界に広がっており、家庭から企業、そして海外の都市にも繋がる回線でした。そこで、データ通信は電話網やデータ通信網、画像通信網など、回線が全て分かれており、それらの互換性もありませんでした。そのため、電話網では音声以外の画像やデータの送信を簡単には行えず、画像などを音声と同じ信号に変換して送ると手間と時間が掛かっていました。また、NTTなどの通信事業者にとっても、電話網以外のデータ通信網や画像通信網を用意するとなると、複数の回線を作る作業が生じてしまうことから投資コストが大掛かりとなっていました。

それらを解消するツールとして誕生したのが、ISDN(サービス総合デジタル網)です。ISDNの特徴は、すべての信号をデジタル信号に変換できる点にあります。つまり、ISDNを用いることで、従来ではバラバラだった信号をデジタルに統一することにより、同一の回線で電話、データ通信、画像通信等、様々な情報を処理できるようになりました。

インターネットの進化、ISDN終了の理由

上記のように、一時は大きく脚光を浴びたISDNがなぜ終了してしまうのでしょうか? 理由としては主に2つあります。そこには現代のインターネットの進化に対応できなくなってしまったISDNの現状がありました。

①ISDN<<<光回線、圧倒的な通信速度の違い

ISDN …ISDN回線を利用、通信速度は最大64kbps
フレッツ光 …加入者は光ファイバを利用。通信速度は最大100Mbpsまたは10Mbps

電話回線やFAXで利用されてきたISDNですが、その通信速度は最大でも64kbpsでした。64kbpsは速度制限が掛かっているときの格安スマホの通信速度の約1/4であることから、その遅さが分かると思います。(テキストだけであればそこまで不自由しませんが、添付ファイルや画像を送れば一発でアウトです。)「ドコモ光」「NURO光」で利用可能な「ひかり電話」に代表されるIP電話の利用が増加してきています。また、スマートフォンやLINE、Skypeなど通話アプリが普及したことにより、電話で固定化されていたコミュニケーション手段が多様化し、固定電話の需要が低下している状況です。

②コストと利用量が割に合わない

フレッツISDN…6,330円/月額(フレッツISDN+INS64ライト事務用)
フレッツ光ライト…3,250円/月額(ファミリータイプ+ひかり電話+複数チャネル)

光回線の普及に伴いそれらの通信費、設置費が大幅に安くなったこともあり、現在ではフレッツISDNに対し、フレッツ光ライトのプラン料金は約半額となっています。そのため、現在ISDNは「高くて遅い」というものになってしまっています。

※NTTインターネット接続サービス料金参照

ISDNは何に役立っていたのか、終了すると起きてしまう影響

先述した通り、一般家庭においてはISDNのサービスが終わったとしてもほぼ影響は無いのですが、企業においては2つの理由から、そうとは言えません。
一つ目の理由は、基幹システムへの影響です。実は、ISDN終了とは、厳密に言えばISDNのサービスの中にある「デジタル通信モード」の終了となります。「デジタル通信モード」は例えば下記のような様々なサービスに利用されており、POSシステムやCAT端末など日常的に利用しているシステムや、EDIのような業務を効率化できていたシステムも停止してしまい、業務に支障が出てしまいます。もし、これらのシステムを自社で構築しているような場合、ISDNの終了と併せてそれらが使えなくなってしまう可能性があるので、今一度確認してください。

・EDI(電子データ交換)
企業が納品や受注を行う際に、紙で請求書などを発行するのではなく、電子データによりやりとりするシステム
・POS(販売時点情報管理)
小売業で支払いなどの販売時点で商品の商品名、価格、販売時間を記録・集計し売り上げや在庫を管理するシステム
・CAT端末(信用照会端末)
クレジットカード会社と店舗間のカードの有効性を確認するための通信システム
・G4FAX
複合機によるFAXの送受信、ISDN回線に対応した規格
・警備装置・警備端末
警備会社と企業・自宅の監視映像通信など
・企業内WAN(ネットワーク回線のバックアップ)
・ラジオ放送
・銀行ATM

二つ目の理由は、立地や建物の問題です。いざ光回線の工事を進めようしても、様々な理由から工事ができない場合があります。代表的な例としては、

  • ビル会社の近くに光回線の基地局がない。
  • 建物が古いため光回線に対応できない。(概ね築20~30年以上)
  • 建物を工事することになるためビルの管理者の許可が下りない。
  • MDF室内の集合装置のつなぎ口に空きがない。

等があります。中でも、会社を構えているところが自社の物件ではないため、工事ができないというパターンは非常に多いのではないでしょうか? ではなぜビルオーナーが工事をしないかと言うと、ほとんどの場合は自分が使うわけではないものに投資をしたくない、といったものです。(賃貸アパートにプロパンガスが多いのと同じようなものですね。)

調べたら光回線が通らない? ISDN終了に伴い企業が準備すべきこと

NTTではISDNのデジタル通信モード終了までに対応が全て間に合わないことを想定し、「メタルIP電話上のデータ通信」を提供しています。これを利用することで、ISDNと同じようにデータ通信をすることができます。しかし、この「メタルIP電話上のデータ通信」は一時的な措置で混乱防止のためのつなぎのサービスであり、通信環境によっては伝送遅延がISDNの更に1/10になってしまうと予想されています。そのため、基本的にはひかり電話やIP電話へのIPネットワークへの接続を、2024年までに進めていくことが重要です。

しがらみからの解放で、快適な超高速インターネット環境を

上記の理由から、現在もISDN回線を使っているビルでは、今後それらが光回線に変わる可能性はあまり高くありません。そこで、これらを解消するためにはオフィスの移転等、根本的な解決をしなければなりません。(オフィスの移転についての詳細はこちらから)

 

しかし、移転以外にも回線速度を改善する方法が一つあります。それは、スマートフォンのテザリングを使う方法です。弊社では5G法人携帯電話「どこモバ」の提供を行っており、テザリングでWi-Fi通信を使うことで、どんなオフィスでも工事をすることなく、高速通信ができる環境を提供する事ができます。ISDNのデータ通信モード終了に関しては、企業にとって影響を及ぼすことが多い変更ですが、自社物件に会社を構えているケースでない限りは、対応できることも限られています。もし、まだISDN回線をご利用中のお客様は今すぐに弊社へご相談いただければ、貴社にとって最適な提案をさせていただきます。

<おさらい>
・光回線の進化により、ISDNのデジタル通信モードが2024年に終了します。
・ISDNの終了に先駆け、会社がしなければいけない対策を迅速にしましょう。
・オフィス移転やモバイルWi-Fiの導入を検討しましょう。

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